QGIS2.0〜2.4のプロセッシングからRを呼び出す方法を紹介します。(ハマったので、その解決メモです。)
※32bit環境と、64bitマシンに32bitインストーラ、でしか試していません。64bitマシンに64bitインストーラで動作するかどうかは不明です。
ポイントとしては、一度、管理者としてQGISを起動して、プロセッシングのRを実行する必要があるというところです。
追記A
QGISからRライブラリのインストールが失敗するのはUACが有効になっていたのが原因でした。UACを無効にしたらインストールできるようになりました。ただ、セキュリティを変更する操作なのでご自分の判断でお願いします。（UACを無効にする方法はググってください。Windows7だと簡単にUACを無効にできますが、Windows8だとレジストリを変更する必要があるようなのでハードルが高いです。）
1. Rをインストールする。
このあたりから(現時点での最新は3.1.0）
http://www.r-project.org/
2. QGISをインストールする。
このあたりから(32bitのインストーラーを利用)
http://trac.osgeo.org/osgeo4w/
3. プロセッシングの設定
QGISを起動して、メニュー→プロセッシング→オプションと構成→プロバイダ→R scriptsで
- Activateにチェック
- Rfolderで"C:\Program Files\R\R-3.1.0\"を選択(Rのバージョンによって変更してください。)
4. Rライブラリのインストール（管理者で）
管理者としてQGISを起動します。（QGISアイコンを右クリック→管理者として実行）
プロセッシングから実行したいRのプログラムを選択します。（たとえば、Raster histogram）
必要なRライブラリがインストールされます。（たとえば、rgdal、raster）
※管理者としてQGISを起動するとファイルのドラッグ&ドロップができなくなるみたいです。
5. 普通にQGISを起動
通常に起動して、プロセッシングのRが実行できるようになっているか確認します。
解説
プロセッシングからRを呼び出すときに、必要なRライブラリが入っていなければ、最初にインストールしようとします。その場所は、"C:\Program Files\R\R-3.1.0\library"となっているので、管理者権限がないと書き込みできずエラーとなります。なので、一旦、管理者としてライブラリをインストールしておけば、それ以降は、普通にQGISを起動してもRのライブラリを呼び出すことができるようになるという訳です。
※実行するRのプログラムによって必要なライブラリが異なるので、そのときは、同様に管理者としてプロセッシングからRのプログラムを実行してライブラリを一旦インストールしてください。
※RのGUIからrgdalやrasterなどのRライブラリをインストールすると、Rを管理者として実行していない場合はデフォルトでは"C:\Users\your_name\Documents\R\win-library"に保存されるようです。けれども、QGISは、その場所を参照しません。
追記1
現状では、グラフの出力はOKですが、コンソールの結果表示が上手くいきません。
以下の部分を変更すれば、出力できました。（改行コードの問題ですね）
C:\OSGeo4W\apps\qgis\python\plugins\processing\algs\r\RUtils.py
def createConsoleOutput():
RUtils.consoleResults = []
RUtils.allConsoleResults = []
add = False
if os.path.exists(RUtils.getConsoleOutputFilename()):
lines = open(RUtils.getConsoleOutputFilename())
for line in lines:
- line = line.strip('\n').strip(' ')
+ line = line.strip().strip(' ')
if line.startswith('>'):
line = line[1:].strip(' ')
if line in RUtils.verboseCommands:
add = True
else:
add = False
elif add:
RUtils.consoleResults.append('<p>' + line + '</p>\n')
RUtils.allConsoleResults.append(line)pullリクエストってどうやるんだろ？
追記2
64bit環境では、追記1の部分を変更しなくても、コンソール出力は問題ありませんでしたが、グラフ出力ができませんでした。
ソースコードは32bitバージョンと同じだと思うのですが、なんででしょうねー？
報告あがってました
http://hub.qgis.org/issues/9203
追記3
Windows8.1 32bitだとグラフ出力でエンコードエラーになったので、以下を修正すると大丈夫でした。
それにしても、OS環境による違いでこんな所に影響あるんですかね？よくわかりません。
C:\OSGeo4W\apps\qgis-dev\python\plugins\processing\algs\r\RUtils.py
def createRScriptFromRCommands(commands):
scriptfile = open(RUtils.getRScriptFilename(), 'w')
for command in commands:
- scriptfile.write(command + '\n')
+ scriptfile.write(command.encode('utf-8') + '\n')
scriptfile.close()その後、なぜか、この変更をしなくてもエラーでなくなりました。
