基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツールのコンパイル方法

基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツール Version1.7.0コンパイル方法です。
(QGIS3.10以降だと、以前のバージョンで変換したdemのCRSが不明となってしまったので、gdalとprojを更新して対応しました。ついでに32bit OS での動作は非対応にしました。その際の自分用メモです。

1. Visual Studio Community 2017をインストール

https://visualstudio.microsoft.com/ja/vs/older-downloads/
ここからダウンロードしてインストールして、x64 Native Tools コマンドプロンプトを起動します。

3.gdalをコンパイル

gdalの3.0.4をダウンロードします。
https://github.com/OSGeo/gdal/releases/download/v3.0.4/gdal-3.0.4.tar.gz

nmake.optを変更します。
・nmake.optのSETARGVを変更。
SETARGV = "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\Community\VC\Tools\MSVC\14.16.27023\lib\x64\setargv.obj"

・nmake.optのPROJを変更
PROJ_INCLUDE = -IC:\Users\mizutani\Desktop\proj-6.3.2\build\distro\include
PROJ_LIBRARY = "C:\Users\mizutani\Desktop\proj-6.3.2\build\distro\lib\proj.lib"

・nmake.optのssqlite3を変更
SQLITE_INC=-IC:\Users\mizutani\Desktop\proj-6.3.2\build\sqlite3
SQLITE_LIB=C:\Users\mizutani\Desktop\proj-6.3.2\build\sqlite3\sqlite3.lib

gdalを以下のコマンドでビルドします。
nmake -f makefile.vc MSVC_VER=1910 WIN64=yes
nmake -f makefile.vc devinstall MSVC_VER=1910 WIN64=yes

c:\warmerda 以下にgdal一式がインストールされます。

4. dem.cppをコンパイル

基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツールの中に移動して以下を実行します。
cl -Ic:\warmerda\bld\include c:\warmerda\bld\lib\gdal_i.lib dem.cpp

5. gdalのexe、dll、dataをコピー

C:\warmerda\bld\binから基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツールの中にコピーします。
・gdal300.dll
・gdalbuildvrt.exe
・gdalwarp.exe
・gdaldem.exe

C:\warmerda\bld\dataフォルダを基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツールの中にコピーします。

6. projをコピー

C:\Users\mizutani\Desktop\proj-6.3.2\build\distro\share\projフォルダを基盤地図情報 標高DEMデータ変換ツールの中にコピーします。

以上です。

補足

変換結合.vbsの中でgdalを使用するための 環境変数を設定してあります。

tempEnv.Item("GDAL_DATA") = "data"
tempEnv.Item("GDAL_FILENAME_IS_UTF8") = "YES"
tempEnv.Item("PROJ_LIB") = "proj"