GISのための測地成果、測地系、楕円体、投影座標系、EPSGコードのまとめ

(2018.3.22追記) JGD2011のEPSGコードを追加しました。

GISを利用する際に、最初にして最大の壁である測地系やら投影座標系についてまとめました。

測地成果 測地系 楕円体 投影座標系 EPSGコード
測地成果2011 JGD2011 GRS80楕円体 緯度経度 6668
      UTM座標系 6688〜6692
      平面直角座標 6669〜6687
測地成果2000 JGD2000 GRS80楕円体 緯度経度 4612
      UTM座標系 3097〜3101
      平面直角座標 2443〜2461
  WGS84 WGS84楕円体 緯度経度 4326
      UTM座標系 32651〜32656
旧成果 日本測地系TOKYO ベッセル楕円体 緯度経度 4301
      UTM座標系 102151〜102156
      平面直角座標系 30161〜30179

UTM

ゾーン EPSG
(JGD2011)
EPSG
(JGD2000)
区域
51 6688 3097 東経120-126
52 6689 3098 東経126-132
53 6690 3099 東経132-138
54 6691 3100 東経138-144
55 6692 3101 東経144-150

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/df/%E6%A8%AA%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AB.png*1

平面直角座標

EPSG
(JGD2011)
EPSG
(JGD2000)
区域
1 6669 2443 長崎県、鹿児島県の一部
2 6670 2444 福岡県、佐賀県熊本県大分県、宮崎県、鹿児島県の一部
3 6671 2445 山口県島根県広島県
4 6672 2446 香川県愛媛県徳島県高知県
5 6673 2447 兵庫県鳥取県岡山県
6 6674 2448 京都府大阪府福井県滋賀県三重県奈良県和歌山県
7 6675 2449 石川県、富山県岐阜県、愛知県
8 6676 2450 新潟県、長野県、山梨県静岡県
9 6677 2451 東京都の一部、福島県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、群馬県、神祭川県
10 6678 2452 青森県秋田県山形県岩手県宮城県
11 6679 2453 北海道の一部
12 6680 2454 北海道の一部
13 6681 2455 北海道の一部
14 6682 2456 東京都の一部
15 6683 2457 沖縄県の一部
16 6684 2458 沖縄県の一部
17 6685 2459 沖縄県の一部
18 6686 2460 東京都の一部
19 6687 2461 東京都の一部
  • 測地系とは、座標軸(X,Y,Z)の方向と原点Oの位置を定めたものです。WGS84系やITRF系は、地球の重心を原点としています。
  • 楕円体とは、地球を楕円とみなし、その形(赤道半径、扁平率)を定めたものです。
  • 測地成果とは、基準点網の構築成果のことです。旧成果とは、明治時代からの基準点構築方法によるもので、その時代の測量精度と地殻変動によって歪が生じていました。そこで、新たに最新技術によって基準点網を再構築したものが、測量成果2000になります。その際に、使用する測地系と楕円体を、それぞれ日本測地系世界測地系ベッセル楕円体GRS80楕円体に変更されました。
  • 投影座標系とは、測地系と楕円体によって決定する地理座標(緯度経度)を、平面上に投影した座標に変換する方法を定めたものです。投影座標系の違いにより、投影された地図の精度や範囲が異なるので、目的によって、使い分けます。平面直角座標系の地図は、狭い範囲だけれど高精度で、UTM座標系の地図は、広範囲だけれど平面直角座標系よりも精度が落ちます。

投影変換するための注意点【重要】

  • 同じ測地成果内での投影変換(投影法の変換、測地系および楕円体の変換)は、計算式で単純に求まるのでgdalwarpなどで投影変換しても問題ありません。しかし、日本測地系TOKYO⇔世界測地系JGD2000の変換は、基準点網の歪みがあるので、計算式だけで、すべての地域を単純に変換できません。そのため、測地成果間で変換するには、地域ごとの歪みを考慮したパラメータファイルを使う必要があります。
  • 測地系と楕円体において、世界測地系JGD2000(ITRF系)とWGS84系、GRS80楕円体WGS84楕円体は、厳密には違うものですが、精度を要求されなければ、ほぼ同じものとみなしても良いようです。

↓この本は、GISを利用する人は、必読だと思います。

↓この本の第13章「測地系と座標系」も参考になります。

参考
http://www.gsi.go.jp/LAW/G2000-g2000.htm
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/tky2jgd/
http://spatialreference.org/ref/epsg/4326/

*1:画像出典:wikipedia